【毎週日系企業ウォッチ】


研究院オリジナル 今週の注目は「KOMOIKE株式会社が、中国企業に対し、先に中国国内の日系スーパーへ出店し、その後日本市場へ進出するという、実現可能でリスク管理の行き届いた対日進出経路を切り開く可能性をサポート」、「伝統的な日系企業文化である“報連相”が、日系企業の中国事業運営を著しく阻害」、「またもや日系化粧品メーカーが中国事業を大幅に縮小」などである。


KOMOIKE株式会社が見出した好機


最近、KOMOIKE株式会社は関連協力機関と連携し、中国企業と日本の流通チャネルとのビジネスマッチングを推進している。KOMOIKEの事業は一言で言えば、中国国内の日系スーパーを活用し、激しい「内巻(インボリューション)」にさらされている中国製品に、日本市場への橋渡しをするというものだ。


KOMOIKEは主に、すでに年間売上高1億元前後を達成している中国企業をターゲットとしている。これらの企業は、今後既存の販売チャネルに依存し続けても、成長の余地が限られてくる可能性がある。顧客獲得コストは上昇の一途をたどっている、日本へ直接進出すれば言語、規格、認証、チャネル、消費者認識などの複数のハードルに直面する。KOMOIKEがこれらの中国企業に提案するのは、まず中国国内の日系小売りチェーンとの取引を支援することで、販売チャネルにおける信用構築と市場検証を行い、条件が整った段階で日本市場に進出するかどうかを決定するというものだ。これらの中国企業にとって、よりリスクを抑えた、道筋が明確なルートであると言える。


KOMOIKEのこの提案は多くの中国企業に歓迎されている。なぜなら、製品が中国国内の日系スーパーのシステムに入ることで、日本の小売システムによる商品品質、包装デザイン、供給安定性、店舗運営などの面での検証を受けることができ、これらは実践的な価値を持つ市場検証を果たすことになるからだ。これは単に販売チャネルを増やすだけでなく、中国の日系スーパーのシステムにおいて評価を得ることが、将来的な日本市場進出に向けた信用の積み上げにもつながるものとなる。


現在、KOMOIKEが連携する中国国内の主な日系スーパーは、セブン-イレブン中国、伊藤洋華(ヨーカ)堂中国、イオン中国などである。これらの小売企業は中国市場で長年深く事業を展開し、確立された商品選定メカニズム、サプライチェーン管理システム、店舗運営ノウハウを有しており、中国の中高級消費市場を代表する小売チャネルでもある。重点カテゴリーは、食品・飲料、日用品・家庭用品、健康美容製品、中国の各地方の特色ある消費財などである。


「報連相」は在中国日系企業にとって最大の敵


「報連相」——報告・連絡・相談は、長らく成功をもたらす日系企業文化と見なされてきた。この仕組みの本来の狙いは、集団意思決定とリスク低減にあるが、一つの経営案が構想から、課長確認、部長審議、本社関連部門の回覧を経て、通常12から18の承認プロセスを経る必要がある。


成長時代においては、この「遅さこそ安定」という論理は成り立っていた。しかし、ストック競争と価格競争が熾烈を極める中国市場において、過度に精緻化された「報連相」は、リスク管理メカニズムから責任転嫁メカニズムへと変質してしまった。典型的な場面として、中国側のエンジニアが製造実行システム(MES)の深刻なインターフェース適合問題を発見したら、2時間以内に解決できるにもかかわらず、規則に従ってまず「報告」を日本の窓口に上げ、日本の窓口が「連絡」で本社関連部門に評価を依頼し、本社が「相談」して予算を承認するというプロセスを踏まなければならない。結果として、2時間で済む技術的な作業が、3週間にも及ぶ国際メールのラリーへと化してしまう。


多くの在中国日系企業はこの問題を認識し、「現地主導」を推進し始めている。しかし、中核となるポストは依然として本社から派遣された総経理や部長が占めており、その任期は概ね3年から5年のローテーション制である。ようやく中国に詳しくなった日本人部長が任期満了で帰国し、後任者が前任者の決定を完全に覆す可能性もある。中国側責任者は名目上予算執行権を持つが、予算を超える案件になると、最終的な決裁権は依然として日本本社に留まっている。


よくある誤解は、日系企業が「現地の人に権限を委譲すること」こそが現地化の鍵だと考えがちなことだ。しかし問題は人ではなく、ルールと言語が共有されていないことにある。在中国日系企業の組織変革の本質は、「脱日本化」ではなく、日本式経営が中国市場において競争力を持つための次元を再定義することにある。緻密さは必ずしも意思決定の遅さと引き換えに得られるものではなく、コンセンサスは必ずしも無限の回覧で維持されるものではない。在中国日系企業の管理体制は、「過誤の防止」から「トライアルを許容し、過誤を発見する」ものへと進化すべきなのである。


巨額損失、化粧品グループ・プレミアアンチエイジングが中国子会社を緊急解散


日本化粧品グループ企業のプレミアアンチエイジング(PREMIER ANTIAGING)株式会社はこのほど取締役会を開催し、中国子会社である蓓安美(上海)化粧品有限公司の解散および清算を決議した。同社は2021年に設立され、親会社のデュオ(Duo)、シトラナ(Sitrana)などのブランドの中国市場での販売を担当していた。


プレミアアンチエイジングは当初、中国市場に大きな期待を抱いていた。2021年には騰訊雲(Tencent Cloud)とスマートリテール分野での提携を結び、WeChatエコシステムを基盤とした公式アカウントやミニアプリ商城の開設、ECチャネルの構築を計画し、中国各地での実店舗展開も視野に入れていた。しかし、データによると、蓓安美公司は設立から5年間で、すでに3年間の連続赤字を計上。2023年度から2025年度までの累計純損失は約1000万元(約1億6000万円)に達した。2025年末時点で、同社の純資産は8億3000万円の赤字となっている。


業界では、プレミアアンチエイジングの失敗は驚くべきことではないと見られている。近年、中国の化粧品市場の競争はますます激化し、国産ブランドが急速に台頭している。これにオンライン上の広告費高騰が重なり、日系ブランドが従来持っていた高価格帯戦略や先発優位性が弱まっている。このような状況下で、資生堂、I-neグループ、ファンケル、コーセーなど複数の日系化粧品企業も中国市場からの縮小を進めており、小規模なものでは店舗の撤去・閉鎖、大規模なものでは子会社の解散・直接撤退に至っている。


実は、このような競争は日系企業に限った話ではなく、中国のローカル企業にとっても同様である。日系企業が撤退を選ぶ一方で、中国の国産ブランドは「海外進出」を余儀なくされている。中国医薬保健品輸出入商会の統計データによると、2025年の中国化粧品輸出総額は78億2000万ドル(約1兆1700億円)で、前年比9.2%増加している。

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『日系企業リーダー必読』は中国における日系企業向けの日本語研究レポートであり、中国の状況に対する日系企業の管理職の需要を満たすことを目指し、中日関係の情勢、中国政策の動向、中国経済の行き先、中国市場でのチャンス、中国における多国籍企業経営などの分野で発生した重大な事件、現状や問題について深く分析を行うものであります。毎月の5日と20日に発刊し、報告ごとの文字数は約15,000字です。


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