『必読』ダイジェスト 中国経済の回復速度は短期的には不確実性が存在しているが、以下に挙げる四つの要素から見て、中長期的に言えば、中国は依然として成長潜在力が世界最強の国である。

その一。中国は世界最大の消費市場を擁している。しかも、経済大国中、その成長率はわずかにインドに遅れをとっているだけだ(インドの現下の消費市場規模は中国のわずかに半分に過ぎない)。英国『フィナンシャルタイムズ』は1月29日、次のように報じた。中国の消費市場構造を研究した結果、以下の諸点を発見した。若年層が中国消費市場の主力であり、その比率は15%に達している(欧米市場におけるZ世代の消費はわずかに4%に過ぎず、中国をはるかに下回っている)。この要素が、ますます多国籍グループが中国の進出が増え、20年以上も中国にとどまっている理由である。彼らにとって、最大で最も成長率の伸びが高く将来性のある市場であることこそがその理由なのである。その膨大な消費市場が2022年に自縄自縛から稀に見る低成長を記録した。2022年末、コロナ対策がいわゆる「ゼロコロナ」から「ウイズコロナ」に転じ、全社会で信頼性が回復すると、社会消費も自然に回復した。こうした予想が普遍的になると、中国政府が提起した統一大市場構想も迅速に実施され、これによって、全国の物資、人員、資金が自由に流動しはじめ、ビジネス環境が大幅に改善された。

その二。コロナ下でも中国の都市化率は徐々に上がり、2022年の都市人口の比率は65.22%に達しており、2023年には中国の都市化率はさらに高まるだろう。2022年のコロナ禍を経て、大都市の医療水準と社会サービス能力の向上によってのみ、今後、捲土重来してくる可能性のある感染症の脅威に対抗し得るという認識が深まった。また、コロナ対策の影響によって、中国の大都市のライフスタイルにも改変の動きが急速に強まり、コロナ禍以前は初期段階だったネットショッピング、宅配便、タクシー・ハイヤーのネット予約などの産業がコロナ禍の期間中に急速に発展し、これらの産業が雇用機会を創出しているが、しかもその容量は極めて巨大である。こうした大規模な雇用機会拡大が標準的なビジネスになり、さらに多くの農村労働力を都市に流入し、中国の都市化のプロセスを推進している。これも中国経済が強靭性を持つ理由である。

その三。物資と情報の社会的流動性の向上を主とするデジタルモデル化はコロナ禍で急速に各産業に急速に浸透した。コロナ禍以前、デジタル化モデルは少数の産業のテストケースにすぎなかったが、コロナ禍3年の間に、社会的な需要とコロナ対策という二重の圧力によって、生産と生活各方面にデジタル化技術の普及、推進が促され、特に電子ビジネス、医療サービス(リモート診療など)や各種行政サービスに拡散した。

こうした社会全体のデジタル化モデルチェンジはコロナ禍当初の試行錯誤を経て、社会生産、ライフスタイルの習慣となり、ポストコロナ時代にはさらに発展してきた。2022年には中国の人口自然増が1961年以来初のマイナスとなったが、少なくとも5~10年の間は心配する必要はない。なぜなら、テクノロジーの発展が労働生産性を向上させ、人口高齢化、人口増の緩慢化の影響を補うからである。

その四。コロナ禍が刺激になって進んだデジタル化の急激な高まりに伴って、中国の製造業も急速に構造的なモデルチェンジを遂げつつある。例えば、中国はもはや世界最大の新エネルギー自動車の市場を形成しており、しかも対外輸出も順調に増えている。経済規模やテクノロジー・イノベーションによって中国の新エネ車はライバルである日本、米国に比べて優れたコストパフォーマンスを備え、13億の人口を擁する東南アジアと中米市場において主導的な地位を確保している。2023年に政府が減税政策から新エネ車購入時の価格助成施策に転じたころから、必然的に新エネ車企業のガラガラポンが行われ、真に核心的なテクノロジー有する企業が技術革新を通じてコストを下げて利潤を上げることになり、助成金によって生存している企業が前へ進むのは困難だろう。

(『日系企業リーダー必読』2023年2月5日記事からダイジェスト)

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