『必読』ダイジェスト 「双炭=ダブルカーボン」目標(2030年までに炭素排出量をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現する)のもと、中国は風力、太陽光発電等を代表とする再生可能エネルギーを飛躍的に発展させる。

国家発展改革委員会(発改委)、国家エネルギー局、財政部(省)等の関連9政府機関が合同で6月1日に「第14次5カ年計画(十四五)再生可能エネルギー発展計画に関する通達」を発表し、十四五(2021~2025年)期間中に、再生可能エネルギー発電量増加量が全社会の電力使用量増加量に占める割合を50%以上とし、風力発電量、太陽光発電量を倍増させる目標を明確に示した。

「十三五(第13次五か年計画)」末現在の中国の風力発電量は4665億キロワット時、太陽光発電量は2611億キロワット時であり、この通達は「十四五」末までに風力発電、太陽光発電量を1兆4500億キロワット時前後に到達させることを意味している。

発電総量から見ると、2025年の再生可能エネルギー消費総量は標準炭10億トン前後に相当し、「十三五」末に比べて47%増、伸び率を「十三五」比11ポイント増にする。また発電量において、2025年末には、再生可能エネルギー発電量を3兆3000億キロワット時前後に到達させ、「十三五」末比50%増とする。これは、2021年末比で今後4年の間の伸び率を33%にしなければならないことを意味している。

供給増と消化促進

再生可能エネルギーの比率を飛躍的に上昇させるには、供給サイドの再生可能エネルギー設備の発電容量拡大が必要なだけでなく、消費サイドの消化促進、高比率消費と利用が不可欠である。

風力、太陽光プロジェクトの開発は集中型、分散型の同時実施を継続して進め、大規模基地プロジェクトは新疆ウイグル自治区、黄河上流、河西回廊、黄河「几」字湾、河北北部、松遼平原(松花江流域と遼河流域)、黄河下流の新エネ基地、海上風力発電基地群、西南水風光一体化基地等が含まれる。分散型は工業団地、経済開発区、石油天然ガス鉱区、公共建築物、工場屋上ソーラー発電等の推進地域に集中している。

消化、消費の面で、前5カ年計画に比べると、今回の通達は再生可能エネルギーの消化指標を明確にし、2025年までに、全国再生可能エネルギー電力消化責任負担率を33%前後に引き上げ、再生可能エネルギー非水力電力消化責任負担率を18%としている。これも2021年の初の公開草案を引き継いだ後、政策的に打ち出された最初の明確な中期的消化目標である。

「再生可能エネルギー消化負担」とは、再生可能エネルギー電力消化量が全社会電力使用量に占める比率を指し、政策要求に照らして、「双消化、双査定」の実行である。すなわち、各省の総量消化負担と非水力発電(水力発電を除くその他の各種再生可能エネルギー発電)の2種類の消化責任査定であり、しかも2種類の責任負担が共に逐年向上、あるいは少なくとも低下させない、ということである。

2021年は再生可能エネルギー消化負担が施行されて2年目であった。この年、全国最低再生可能エネルギー電力の消化責任負担率は29.4%であり、実際達成値も29.4%だった。同年の全国最低再生可能エネルギー電力非水力電力消化負担率は12.9%だったが、実際達成値は13.7%だった。この計算によると、「十四五」の今後4年間には、非水力電力消化負担率の指標を5ポイント引き上げなければならないということになる。

発電のほかに、『最新計画』は初めて非発電利用目標を打ち出し、再生可能エネルギーの非電力利用の規模を拡大し、「十四五」末までに、地熱暖房、バイオマス熱供給、バイオマス燃料、太陽熱利用等の非発電利用に回し、標準炭6000万トン相当以上にするよう奨励している。

また『最新計画』は「風力、太陽光等の再生可能エネルギーのコストの逐次低減に伴い、“十四五”期間に、これまでの補助金支援から公定価格、低価格に転じ、政策駆動の発展から市場駆動の発展に転換する」と提起している。

(『日系企業リーダー必読』2022年6月5日記事からダイジェスト)

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