陳言/文 元々4月に散髪に行く予定だったが、忙しかったため、5月まで延びてしまったが、5月中、北京市豊台区は新型コロナウイルスの感染リスクが高まったため、毎日のPCR検査と不要不急の「不出区(区外への外出禁止・中国語の『不出去』と発音が同じ)」が義務付けられているため、未だに散髪に行くことができていない。今の私は髪がぼさぼさで、髭が手入れされておらず、まるでミュージシャンのような風貌だ。

このような状況になる前に買い置きしていた酒は多くなかったが、5月は酒を飲まなかった日も少なくなかった。蓄えていたたばこの量はもっと少なく、5月はほぼ禁煙状態だった。外出してたばこや酒を買うこともできたが、外出する時は常に食材の確保にお金を費やしていたため、たばこと酒は倹約した。6月に生活の全てが通常の状態に戻るが、5月中にあまり飲まなかった酒やたばこの消費は元に戻っておらず、5月中は外食ができなかったために宴会や食事会も皆無だった。

消費には時間が必要であり、月日が流れてしまうと、たばこや酒、宴会および食事会のいずれにしても消費の回復には時間がかかる。2022年、中国における消費の縮小は、大いにあり得ることだ。人々が想像しているリベンジ消費は最終的に単なる想像上の産物になる可能性があり、リベンジ消費を実際に生じさせるのは相当難しいだろう。

今後、必ずリベンジ消費が生じると言えるのは自動車だ。

私が住む豊台区は、6月以降も一時的に地下鉄は不通で、バスの営業もない。豊台区を離れるには自家用車が必要だ。新型コロナの拡大期間中、外出に最適なのは自家用車であり、公共交通機関で感染するリスクを大きく減らすことができる。

政策の奨励により、自動車の消費に大きなリバウンドが生じることだろう。4月25日、国務院事務局は『消費の潜在力をいっそう発揮して消費の持続的な回復を促進することに関する意見』を発表した。この『意見』では、自動車などの大口消費の増加を安定させることにより、各地域における追加的な自動車購入制限措置を抑え、すでに購入制限を実施している地域では、徐々に自動車増加ノルマにおける台数を増やし、購入者資格の制限を緩和させられることが明確に指摘された。5月23日、国務院常務会議で600億元に相当する一部の乗用車購入税などの段階的な減税を決定した。

現在、自動車購入制限は中国の全ての大都市で実施されている。新型コロナウイルスの流行が終息した後、消費者はついに自動車を購入する新たなチャンスに恵まれるが、そのチャンスがいつまで続くかは分からない。自動車の購入を急がなければ、その後やはり自動車を買いたいと思っても、時すでに遅しとなる可能性がある。

新型コロナウイルスの流行により物流やサプライチェーンが中断しているため、突如として沸き起こった自動車購入の波による需要を自動車業界が速やかに満たせるか否かに関する懸念があり、特に世界各地での半導体部品不足により、すでに自動車生産の現場はかなり混乱しており、中国が半導体の影響を受けるかどうか、短期内で市場のニーズを満たせるか否かに関しては、6月の中国の自動車市場に注意を払う必要がある。

(中国日本商会HPより 2022年6月1日)

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