研究院オリジナル 2025年3月前半、中国語メディアの報道・論評が比較的多かった中日経済関係のコンテンツおよび日本企業は主に以下の通りである。
日本のロボットはなぜ芳しくなくなったのか?
近年、ロボット産業では人型ロボットをはじめとする新たな発展の波が生じているが、解せないのは、かつてロボット王国だった日本がまるで眼中にないかのようにあしらわれていることだ。しばらく前にモルガン・スタンレーが発表した人型ロボットを対象にした「The Humanoid 100」ランキングで、中国企業は35社も名を連ねたのに対し、日本企業の名前は一つもなく、韓国などと共に「アジア太平洋の他の地区」にまとめられており、その「アジア太平洋の他の地区」に属する企業も合わせてわずか18社だった。
この数年間においても、日本のロボットといえば、やはり古参の「BIG4」だが、次世代ロボットでは存在感がない。それとは対照的に、中米両国のロボット産業には「ホットマネー」が押し寄せており、大いに盛り上がっている。中国では、お馴染みのインターネット最大手が続々と参戦しており、アントグループは螞蟻靈波科技を設立し、アリババは源絡科技に投資し、小米は人型ロボット「鉄大」を発表した。米国では、創立からまだ3年にも満たないFigure AIの企業評価額が395億ドルに到達し、今年2月中旬にシリーズAラウンドで3億5000万ドルの資金調達を行ったApptronikの企業評価額が25億ドル近くに達した。昨年末に4億ドルの資金調達に成功したPhysical Intelligenceも、企業評価額が24億ドルに届いた。それに引き換え、日本はソフトバンクやホンダのロボットプロジェクトが相次いで中止になった。
実のところ、日本の人型ロボット産業の始まりはかなり早く、早稲田大学が1973年に開発した「WABOT」は業界が公認する世界初の人型ロボットであり、ホンダは2000年に後に名を馳せたロボット「ASIMO」を発表し、川崎重工も90年代から代表作であるHRPシリーズの開発に着手した。しかし、日本のメーカーは人型ロボットが大規模な実用化に向かうことを信じていなかった。なぜなら製作費が非常に高いからであり、それゆえに日本のメーカーは人型ロボットを技術展示の道具としか見なかった。
これとは逆に、中国の人型ロボットメーカーは最初から消費市場に照準を合わせて、コスト削減を重視しており、例えば優必選公司は2016年にWalkerシリーズの人型ロボットのプロトタイプをリリースし、世界で初めて人間と同じ寸法の二足歩行人型ロボットのコストを10万ドル以下まで削減した。著名な企業である宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)が純電気駆動の技術ロードマップを採用し、リリースしたG1シリーズの販売額はわずか9万9000元であり、人型ロボット業界の「価格破壊者」と呼んで差し支えない。
分析によると、日本の人型ロボットの発展が滞った後、日本企業の考え方に存在する偏狭さが露呈した。一部の企業は技術の先進性を過度に追い求め、市場で検証されていない技術を盲信し、市場における真のニーズとコストを無視したために、発展のチャンスを逃した。人型ロボットだけでなく、自動車や家電などの分野でも似たようなケースが見られる。例えばトヨタは新エネルギーへの転換期に水素エネルギー自動車に投資し、パナソニックはフラットパネル型テレビの時代にプラズマ技術ロードマップを選択した。
目覚めたトヨタ、まだ夢の中にいるホンダ
2025年3月6日の晩、広汽トヨタは杭州で、東風ホンダは珠海で、ほぼ同時に電気自動車の新車発表会を開催した。販売価格の発表と比較は世論をにぎわせた。
広汽トヨタの鉑智3X(bZ3X)は、指定販売価格が最安10万9800元で、もはや中国国内電動自動車ブランドの価格と差はない。そして、鉑智3Xのハイエンドモデルは、レーザーレーダーとエンドツーエンドの高度な運転支援機能が搭載されているにもかかわらず車両価格はわずか13万9800元で、ちなみにBYDの同水準の運転支援機能が搭載された自動車はみな価格が20万元クラスだ。これとは対照的に、東風ホンダのS7の価格は、比較対象である中国国内メーカーの電動自動車よりも5万元高く、またそれ以上に高価な車種もある。
世論のコメントによると、鉑智3Xを電動自動車の象徴として、広汽トヨタはついに正しい道を歩み出したが、それに引き換え、ホンダは相変わらず旧態依然とした状態にある。当日の晩に開催された発表会から両者の違いを見て取ることができる。広汽トヨタは鉑智3Xに中国の消費者が好む純電動自動車の機能配置を採用したと伝えたが、東風ホンダはS7に関して、依然として自社の伝統的な自動車技術の優位性を強調していた。
さらにあるコメントによると、鉑智3Xはトヨタが誠心誠意、中国市場と向き合っていることを示しており、今回トヨタは鉑智3Xのチーフプロジェクト責任者に初めて中国人を起用し、また中国ブランドの格調に合わせており、例えば内装は日系メーカーに一貫して見られる硬質プラスチックへの固定観念が打破され、大画面ディスプレイやヤマハの車載スピーカーシステム、32色のアンビエントライト、パノラマサンルーフなどが配置された。同自動車の種別は小型車だが、中型車のホイールベースが導入されており、そして高級車の後部座席の体感を経験できる。
より重要な点として、中国国内の産業チェーンに組み込まれることによって、鉑智3Xは中国ブランドのコストに近づけることができた。レーザーレーダーは速騰聚創、運転支援システムはMomenta、ドメインコントローラーは徳賽西威、電池は正力新能と中創新航によってそれぞれ供給されている。106社のサプライヤーのうち、中国ブランドのサプライヤーが65%を占める。全1009種の部品のうち、輸入部品はわずか1%だ。
広汽トヨタによると、鉑智3Xは発売後わずか1時間で、受注した注文台数が1万台を上回り、市場はトヨタを高く評価している。
エプソンの「中国カスタマイズ」
中国では2025年の旧正月以降、世界をあっと言わせる3つの出来事が生じた。一つ目は、アニメ映画『哪吒之魔童鬧海』(ナタ2)が世界映画史上の記録を更新したこと、二つ目はAIのDeepSeekが「突然世に現れた」こと、三つ目は「春節連歓晩会」で人型ロボットがヤンコ踊りを披露し、極めて高い運動制御能力を発揮したことだ。最近、愛普生(中国)有限公司の岩崎哲也総裁は中国のメディアに対して、後者の2つの出来事に関しては別に驚きもしなかったが、哪吒のアニメ映画によって、中国市場は潜在力が巨大であり、魅力に満ちていることを再確認したと語った。
近年、中国市場の発展における急速な変化は、全てのグローバル企業にとって挑戦となっている。これに対するエプソンの対応戦略は「中国カスタマイズ」だ。その中の「中国プラン」は、コストの観点から考え出されたものであり、中国の一部の学校ではモノクロ印刷のテキストがより多く使用されており、これに対応するため、エプソンは中国の教育業界において全面的な「カラー化」活動を展開し、エプソン独自のK12学内A4カラープリントサービスを実施したところ、コストは1枚当たり9分(約1.8円)まで下がり、政府や社会、市場の各方面から好評を博した。
その他の「中国カスタマイズ」の市場ソリューションは、シェア経済に基づいた「愛蘿卜便民打印サービス」だ。コンビニや文具店、大型チェーンストア、「ネット宅配サービスストア」など人々が頻繁に訪れるスポットに、いつでもプリントアウトが可能なエプソンの共有プリンターを提供することにより、大衆の「プリントの自由」を実現すると同時に、販売代理店と小売店のために収益の新たな経路を切り開いた。
米国の規制への懸念により、ソニーは機会をとらえて中国で現地化生産に着手
近ごろ、ライフサイエンス機器の国産化推進政策に関する中国政府の呼びかけに積極的に答え応じるため、ソニーグループは、2025年4月1日より、一部のタイプのフローサイトメーターを中国国内で現地化生産することを発表した。この出来事の背景には、今年1月16日に米国商務省産業安全保障局が、今後新たな輸出管理規定を公表し、米国の許可を得ずに、いかなる企業も個人も中国および他の国々にハイパラメーターフローサイトメーターを輸出することを禁ずると発表したことがある。分析によると、今回ソニーが措置を講じた目的は、一つが中国の市場機会を補完することであり、もう一つが半導体の時のように、今後米国が日本企業に対して輸出規制に加わるように要求することが懸念されるため、今機会をとらえて先手を打つことにある。
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