研究院オリジナル 2025年3月後半、中国メディアの報道・論評が比較的多かった中日経済関係のコンテンツおよび日本企業は主に以下の通りである。


200社以上の在中日本企業は上海に結集して何を伝えたか?


3月14日、上海で開催された中智日本企業倶楽部智桜会新春交歓会では、東京や北京、上海などに拠点を置く200社以上の在中日本企業の代表者たちが一堂に会し、現地化発展の道および人材戦略に関する交流と討論を行った。参加企業の発言という角度から見ると、同交歓会では主に以下の観点が伝えられた。


一つ目は、日本企業の大半が依然として対中投資に自信を持っていることだ。二つ目は、日本企業の中国投資の重心がハイテクと新興産業に傾きつつあるということだ。


日本企業は今、デジタル化によって生産フローと業務管理を最適化することによって、イノベーションによる競争力の向上に努めているが、これもまた関連の産業政策に対する中国政府の重視と支持を映し出している。例えば、ミスミ(中国)精密機械貿易有限公司は、2025年に世界トップ水準のスマート無人自動生産ラインを南通工場に導入することを発表しており、同社は2014年の中国市場参入以降、これまでに中国で4億ドル以上の投資を行っている。最後の三つ目は、日本企業が一様に技術系、特にAIやビッグデータ分野の人材ニーズに関心を寄せていることだ。


上海市商務委員会の朱民主任は会議で、上海において医療やバイオ技術などのサービス業の開放を拡大することは、日本企業のモデルチェンジの方向性と非常にマッチしているという見解を示した。


政商の道に精通しているオリックスが、中国でのインフラ産業への参入に本腰


公開情報によると、今年2月以降、オリックスは中国水務集団有限公司(00855.HK)の株式を継続的に買い増しし、その金額は約5億香港ドルに達しており、持ち株比率は24%を超えた。


早くも2011年に、オリックスは中国水務への投資を開始し、その後何度も中国水務の株式を買い増ししているが、現在に至るまで二級市場で持ち株を放出したことがない。明らかに、中国水務に対する同社の投資は決して単なる財務投資ではない。同社は2018年に東レと共に中国水務を交えて合弁会社を設立し、中国水務が提供する直接飲用水の装置および品質の向上を目指している。


中国水務の長期株式保有者として、オリックスは中国水務の事業経営および財務状況を十分に把握しており、同社は中国水務の優れた基盤および将来的な成長の潜在力を高く評価している。確かに、2005年以降、中国水務は19年連続で収益を伸ばし続けており、その額は2005年度から2023年度(年度末は3月31日)にかけて4846万7000香港ドルから141億9900万香港ドルまで増加し、年間複合成長率は37%に達している。これほどまでに強い成長力を有する企業は市場でも滅多に見かけない。


中国における公共インフラサービス業は常に政府主導の領域であるため、これらの業界に進出するには政府との深いつながりが必須だが、オリックスはそれをよくわきまえている。今回オリックスは中国水務の株式買い増しを同社傘下のオリックス(中国)実業控股有限公司を介して行っている。同社の主要な株主には青島市政府に属する国有資本投資平台の青島海発産業投資控股有限公司、北京市首鋼基金、北京市豊台区政府発展投資公司などが含まれているが、このことはオリックスが青島市政府および北京市政府傘下の投資平台と密接な協力関係を築いていることを示しており、この関係こそオリックスが中国のインフラサービス市場で稼ぐ上で最も強力な保障となっている。


アシックスはなぜ中国のレッドオーシャンで最も大きな成長を実現できているのか?


最近、アシックスは2024年の財務報告を発表したが、同社の北米市場での純販売額は前年比17.8%増の約66億元で、欧州市場における純売上高は約88億元で、前年比21%増だった。同社の中国市場における販売額は48.8億元で、29.5%の大きな増加を記録し、前年比の増加は欧州および北米の両市場を上回った。中国のようなレッドオーシャンで、アシックスが最も大きな成長を遂げていることにより、同社に対する人々の見る目が変わっている。


まず、このアシックスが上げている成果は、近年中国で生じているジョギングブームと関係している。様々なマラソン大会が雨後の筍のごとく増え続けている中で、同社は「ジョギングシューズの王様」と称えられており、消費者の心の中で優れたブランドイメージを確立している。


また、同社は専門的なジョギングシューズの分野で大きな技術的蓄積を有し、自社独自の材料および材質は他の競合他社にはないものだ。


しかし、最も大きな成功の要因は同社の正確な現地化マーケティング戦略であり、同社は上海に中国本部と開発センターを設立し、中国消費者の運動習慣とニーズに基づいて、市場ニーズに合った製品とサービスを販売している。


実店舗で、アシックスは無料の足形計測や足の動きの解析などのサービスを提供しており、消費者に対して科学的に厳選され、カスタマイズされた靴の提案を生成している。内反足、外反足、偏平足のランナーに対して、同社は様々な設計および機能のジョギングシューズを取り揃えており、カスタマイズされ、安定したサポート性能を提供している。


また、アシックスが中国国内消費者のニーズを満たすために開発した「TECH PLUS」は、国内のテックウェア素材に複数の中国伝統文化の要素を組み合わせた製品で、例えば巳年限定シリーズや干支シリーズなどがあり、多くの中国消費者を引き付けている。


日本の「最も美しい書店」はなぜ相次いで閉店したのか?


最近、蔦屋書店が告知した公式発表によると、天津の蔦屋書店仁恒伊勢丹店が3月31日をもって閉店することになったが、蔦屋書店が中国国内で閉鎖する店舗はこれで3店目だ。昨年下半期から現在にかけて、同社は西安の店舗および上海静安MOHO店の両店を相次いで閉鎖した。最近では、同社青島店と重慶店も経営状態が芳しくないという噂が流れている。


2020年に蔦屋が中国進出を果たした頃、同社は雄々しい志を立て、1100店の店舗設立を計画したが、2025年3月までに、同社が中国市場で構えた店舗は合わせて15店舗で、現在はわずか12店舗であり、明らかに当初の計画とは大きくかけ離れている。


業界の分析によると、蔦屋が中国に来た頃、同社はすでに良い時期を逸していた。近年、中国経済の減速や消費のダウングレードに直面し、同社は価格がもたらす手痛い影響を前に持ちこたえる力がなかった。同社の書籍の価格はオンラインサイトと比べて全く優位性がなく、書籍以外の商品は定価が高すぎることに加え、コーヒー飲料も競争が熾烈な市場で頭角を現すのは困難だった。


以前に天津の蔦屋で、ある消費者は1枚の手帳シールが53元で販売されているのを見て、その価格に驚き、蔦屋の商品は高いということがよく分かったが、これほどまでに高い値段は受け入れられないと感じたという。ある顧客によると、蔦屋のカタログに表示されている価格は、基本的に日本の価格からゼロを1つ除いた金額であるため、現在の為替レートでは、元の価格の約2倍に相当するとのことだ。


この他に、蔦屋は日本では「ライフスタイルの提案者」という理念で核心的な優位性を築いていたが、中国ではこの経営モデルを実行していないため、中国の蔦屋書店は日本の多くの蔦屋のようにコミュニティ文化の中心を占めておらず、また人々の生活の中に溶け込んでもいない。むしろ商業の中心地に位置する「ネットで話題のスポット」となっている。商品棚に並ぶ細工が精巧なガラスカップも、購入される商品ではなく、美しい撮影道具と化している。


中国語で執筆活動を行う日本人ライターの吉井忍氏は、日本の蔦屋書店が中国に遣わしたチームは、十分な市場調査と現地の状況に適した対応を行ってこなかったのではないかという見解を示した。

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