研究院オリジナル 2025年1月後半から2月前半にかけて、中国メディアの報道・論評が比較的多かった中日経済関係のコンテンツおよび日本企業は以下の通りである。
中国世論が考えるパナソニック製テレビ凋落の3つの原因
2025年2月4日、パナソニックホールディングスはテレビ事業からの撤退を発表した。パナソニック製テレビはかつてその高い品質から世界ナンバーワンブランドとして名を馳せ、2007年に同社テレビ事業の年間売上額は1兆円に到達した。
中国のメディアや世論の認識として、パナソニックによるテレビ事業の撤退は別に予想外のことではなく、日本のテレビブランド全体が世界市場で敗退していることは大きなトレンドだ。東芝やシャープ、日立、ソニーなど、かつては栄華を極めた日本のテレビブランド陣営は今やその大半が主要市場から退出している。日立は早くも2012年にテレビの生産を停止した。シャープのテレビブランドはホンハイに買収された。東芝のテレビ事業は中国のハイセンスに売却された。今では、日本国内市場でさえも、テレビの売上額ランキングで1位と2位に入ったのはそれぞれ中国のハイセンスとTCLだ。
日本のテレビ産業の衰退には複数の要因が関係しているが、中国メディアと世論の認識によると、その中で最も重大な要因は以下の三点だ。第一に、技術ロードマップにおけるミス。90年代、テレビの技術ロードマップはプラズマと液晶の二大方式に分かれた。日立などの著名な企業は確固たる態度でプラズマ技術を推した。しかし、市場が最終的に選んだのは液晶ディスプレイ技術で、日本企業のプラズマテレビ事業は巨額の損失を被り、中国や韓国の企業は液晶技術を足がかりとして急速に台頭した。
第二に、中国ブランドの台頭。中国のテレビメーカーは完備された産業チェーンと巨大な国内市場を土台にして、テレビ生産の中核プロセスを掌握することにより、効果的にコストを削減した。同時に、中国メーカーは市場戦略の面でも臨機応変で革新的であり、価格戦や電子商取引、ライブコマースなどのマーケティング手段を次々に繰り出し、さらに日本のブランド(例えば三洋、東芝)を買収することによってブランドの認知度を高めている。
第三に、日本企業の伝統的な企業管理モデルの弊害。日本企業が長期にわたって採用してきた終身雇用制と年功序列が、企業内における管理職の高齢化や意思決定の硬直化を招いた。日本企業では、部長クラス以上の幹部の平均年齢が50歳以上であることは珍しいことではなく、若者たちの昇進は容易ではないため、イノベーション力が限られてしまう。それに比べて、中国企業は市場競争と効率をより重視しており、例えばハイセンスは東芝を買収した後、成績評価に基づいた「人単合一モデル(個人と目標を一つにし、社員自らが新しい価値を探し、創り出すことを重視した経営モデル)」を推進し、職員の収入と業績を直接連動させることによって、企業の活力を向上させた。
パナソニック製テレビの事例は、世界市場で再び競争力を得たいのならば、技術イノベーションを加速させ、従来の管理モデルを変え、現代の市場ニーズに適応する必要があることを改めて日本企業に思い知らせた。さもなければ、今後メイド・イン・¥ジャパンはさらに多くの分野で試練に直面する可能性がある。
中国市場での業績悪化も思わぬ収穫があったユニ・チャーム
ユニ・チャームは中国市場での業績が悪化したものの思わぬ収穫を手にした。
ユニ・チャームの決算報告書によると、2024年の中国市場での売上高は7%減少し、コア営業利益は27.4%も下がった。これとは対照的に、世界の4つのセクターで同社は、中国以外の他の市場でいずれも増収増益を記録しており、そのうち日本市場では売上高が4%、コア営業利益が12.4%それぞれ増加した。
中国市場での業績が悪化しているとはいえ、ユニ・チャームは中国で売れ行きが好調な主力商品「ソフィ超熟睡ショーツ」を日本市場に投入して大成功を収めており、同商品は同社グループの売上を1兆円の大台に乗せる上で「稼ぎ頭」の重責を担っている。
この「ソフィ超熟睡ショーツ」は元々、中国の若い女性を対象に開発された商品だ。現在、中国市場における競争は非常に厳しく、品質や使い心地などに対する消費者の要求もますます高まっており、こうした状況に迫られてユニ・チャームも優れた商品を世に送り出さざるを得なくなった。開発の段階で、同社は中国の様々な地区、年齢、体型の女性に商品を試してもらい、フィードバックを集めて改良を図った。実に「ソフィ超熟睡ショーツ」の新たな機能はみな中国消費者の意見やフィードバックによってもたらされたものだ。
過去に、中国の路上で車の運転をしてきたのなら、世界のどの場所でどんな道路状況であっても運転することができるというジョークがあった。つまり、中国市場も今や規模で勝利を収めているだけでなく、熾烈な競争や豊富で活発な消費シーンにより、新製品の育成が一層促進されたと言える。
中国の中古車市場というブルーオーシャンが日本企業にもたらす商機
2025年1月、KLCの社長一行が浙江省湖州市を訪れ、現地政府および企業と座談会を行い、中古車輸出の政策とプロセス、中古車販売サイト立ち上げの実行可能性、中日両国の協力による国際的な中古車取引モデル構築の推進などの議題について検討した。
中国は今や世界最大の自動車消費市場の一つであり、中古車の取引台数も年々増加している。中国自動車流通協会のデータによると、近年中古車の取引台数は持続的に増加しているという。中国政府もこのような事業を積極的に支持しており、例えば中古車の取引制限の緩和や取引プロセスの簡素化など、一連の政策を打ち出して中古自動車業界の発展を促している。
中国国内にはすでに多くの中古車の検査および輸出企業があり、例えば車透明や検車家などの企業は国内市場で一定の顧客地盤や市場シェアを有し、国内市場のルールや消費者のニーズを熟知しているため、KLCは競争に直面することになるだろう。しかし、KLCは日本の中古車業界のフロントランナーとして、厳しい検査プロセスと効率の高い輸出サービスで定評があり、国際的にも素晴らしい評判とブランドイメージを有しているため、間違いなく中国市場で競争上の優位性を持っている。
全体的に見て、中国の中古車市場はまだ発展初期の段階にあるため、巨大なブルーオーシャンと言える。KLC以外にも、株式会社MF北日本やアップルオートネットワーク株式会社などの日本企業が、海外事業を進めるにあたり、中国市場をますます重視するようになっている。
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