『必読』ダイジェスト しばらく前に発表された「改革の途上にある中国 生産能力の周期に注目」と題する報告で、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、中国の7つの代表的な業界を選び出し、これら業界における生産能力の過剰の状況について分析した。これら7つの業界とは、空調、ソーラーパネル、リチウム電池、新エネルギー自動車、パワー半導体、鉄鋼、建設機械だ。


報告によると、これら7つの業界は幅広い中国の製造業分野を網羅しており、グローバル市場における中国の影響力がますます大きくなっていることを示しているが、多かれ少なかれこれらの業界はいずれも生産能力過剰の試練に直面している。


統計によると、これら7大業界は2023年の中国GDPに対して6.6%のシェアに貢献し、GDP成長に対する貢献率はそれよりも高い21.9%だった。これら7つの業界のグローバル市場におけるシェアの平均値は、2020年の27%から今では37%まで上昇している。


「2024年第1四半期のデータによると、これら7つの業界のうち、パワー半導体、鉄鋼を除く他の5つの業界の生産能力は、世界の需要を上回っている」と同報告は指摘。そのうち、ソーラーパネルの生産能力は世界需要の197%で、リチウム電池の生産能力は世界需要の153%に到達している。


生産能力の利用率の方面から見ると、建設機械が最も低く、わずか30%、ソーラーパネルが44%、新エネルギー自動車の生産能力の利用率は54%だ。


報告によると、「理想的な」生産能力の利用率は一般的に80%、それより高い利用率は持続不可能であり、低い利用率では生産能力を浪費していることになる。


2024年第1四半期の工業の全体的なデータから見ると、中国の工業における生産能力の利用率はすでに73.6%まで下がっている。コロナ禍のロックダウンの影響を差し引いても、過去10年間、生産能力の利用率は大体73%から78%の間を推移している。つまり、中国の工業における生産能力の利用率は、もはや過去10年間の最低水準にまで低下しているのだ。


他の国々と対比してみると、米国における2024年第1四半期の生産能力の利用率は77.4%、ドイツは81.3%だったが、韓国とタイの生産能力の利用率はかなり低く、それぞれ71.3%、60.5%だった。


報告が示す展望によると、「今後の数四半期のうちに」、ソーラーパネルの生産能力の三分の一が淘汰されるとのことだが、それは現在の深刻な生産能力過剰の問題を緩和する上でプラスになり、市場における需給のアンバランスの改善につながる。ソーラーパネルの生産能力の利用率は2025年に下げ止まるが、2025年以降に再び上昇すると予想されている。


リチウム電池業界は、2024年に生産能力の利用率が下げ止まるが、今後2年以内に再び55%~60%まで上昇し、それと同時に国内のリチウム電池の一製品あたりの粗利も値を戻すと予想されている。


新エネルギー自動車とパワー半導体は依然として拡大を続けており、資本支出は引き続き増加している。予想によると、これら2つの業界の方向性の変化には2、3年はかかる可能性がある。


鉄鋼、建設機械および空調業界における資本支出の変化は限定的だ。その中でも、中国の空調業界は依然として海外市場におけるシェアが55%(販売量で計算すると70%)と高いが、そのシェアが長年にわたって安定しているのは、メーカーの大半が今のところ収益率がプラスで、目立った貿易障壁に直面していないため、投資活動が比較的に安定しているからだ。


(『日系企業リーダー必読』2024年8月20日の記事からダイジェスト)

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