陳言/文 上海では3月27日から一部閉鎖が始まり、時を移さずして上海全域閉鎖に移行したが、5月17日現在、まだ閉鎖が解除されていない。北京は5月に入ってから緊迫した内容のうわさが流れ始め、ジャーナリストの胡錫進氏は13日、上海メディアである観察者ネットに「北京市が都市封鎖をせずに新型コロナの感染拡大を抑えることを希望している。全国はこの経験を早急に必要としている」と投稿した。実は安徽省合肥市のケースを見てみると、同市はコロナに適切に対処しており、他の都市が政策を取る際の模範となっている。
安徽省衛生健康委員会の公式サイト掲載の報道は、合肥の感染症対策と、上海や北京のそれとの大きな違いについて述べた。報道の内容を見ると、安徽省委員会常務委員、合肥市委員会書記の虞愛華氏は12日、第50回市感染症予防活動ビデオ会議を開催した際に、「来た客も、帰ってきた家族も、合肥市は真摯に歓迎し、決して門前払いしない」と宣言した。
合肥市は、中・高リスク地域やその他の新型コロナ発生地域から来た人が、事前に届け出をしていてもいなくても、いつでも気兼ねなく来られるようにしたいと考えており、高速道路のガードレールを乗り越えたり、車のトランクに隠れたり、健康コードを偽造したりしてはならないとしている。また、合肥市政府は、防疫政策の段階的強化は一見職務を遂行しているかのように見えるが、実際には怠慢な政策だと考えており、地方の特別政策が全市の防疫対策を損ない、二次的問題を引き起こすのを断固防止するとも考えている。
筆者は上海も北京も合肥市の疫病対策によく学ぶべきだと考えており、合肥市政府の勇気に感服している。古代中国の「大禹の治水」では、通常の「塞ぐ」方法を選ばず、「流れを良くする」方法によって、水害対策に成功した。この例からもわかるように、防疫は上海モデルだけでなく、合肥市のような方法をとる必要がある。
一部の都市では高速道路がトラック運転手の停車・休憩を許可しない中で、合肥市は運転手を受け入れ、市内の9本の高速道路、36本の国・省の幹線道路は一度もストップしたことがなかった。3月31日に、350トンの物資を満載した合肥市の貨物トラック(22台)が上海へ物資緊急輸送した。4月、合肥市の企業は野菜や卵をどんどん上海に運び、上海の人々の焦眉の急を解消することに寄与した。合肥市の医療従事者は今も上海を支援している。
多くの都市の中で、合肥が勇気をもって革新に取り組み、新しい方法を果敢に試し、余裕がない中で上海を支援することができた理由は何だろうか。
この半年間に報じられたさまざまなニュースを読むと、合肥市も初めは厳重に警戒し、新型コロナから当地を死守するという態度だったが、早くから「方艙医院(コンテナを利用した臨時の病院)」を建設し、街全体のPCR検査訓練を行うなど、新型コロナ流行前に防疫作業を行っていた。
また、ここ数年間のニュースを読むと、日立建機は合肥で活躍しており、液晶メーカーの京東方が合肥市に進出したり、上海蔚来汽車(NIO)が合肥市に工場を建設したりした、さまざまな新たな取り組みにより合肥市の国内総生産(GDP)は1兆元クラブに入っている。合肥市は常にさまざまな革新を試みており、付け焼き刃の措置はとらない。
新型コロナの感染が拡大している今、合肥市はまた新たな道を歩み始めた。同市は人々に一目置かれるだけでなく、人々に希望を与える存在となっている。
(中国日本商会HPより 2022年5月17日)