『必読』ダイジェスト ドイツ最大の経済日刊紙『ハンデルスブラット(商報)』のサイトは6月26日、中国電気自動車(EV)に対する関税徴収をめぐる問題の議論において、「中国自動車メーカーのイノベーション能力は絶えず強化されている」という最新の研究成果を報じた。
報道によれば、この研究はドイツの著名な自動車産業専門家、ステファン・ブラッツェル氏が設立した自動車管理センター(CAM)が発表したイノベーションランキングによるもの。初めて中国の自動車メーカー5社(吉利、上汽、小鵬、BYD、広汽)が同時に世界十大イノベーション能力ランキングにランクインした。
ドイツのBMWが初めて筆頭に立ち、長い間ランキング首位だったフォルクスワーゲンは6位に下落した。
CAMの評価が自動車産業においてそれなりの重みをもつということに疑いの余地はない。最新のレポートでCAMは過去12カ月の700項目にわたる量産に関わるイノベーションと300項目のパイロット生産を調査し、あわせて固定的な標準リストを使って評価した。
レポートによると、中国のメーカーは多方面におけるパフォーマンスで優勢だった。『ハンデルスブラット』の報道によれば、同研究責任者は次のように述べている。「電気自動車(EV)、自動運転や車載電子システム等の応用分野で中国メーカーが非常に強力なイノベーション能力を示している」
ランキングによれば、目下世界のイノベーション能力の46%が中国メーカーに由来し、新記録を樹立した。2019年にはこの割合は21%だった。これに反して、この間にドイツの自動車メーカーのイノベーション能力は低下し、2019年には45%だったが、今では23%になっている。
報道が注目すべき点として次のように述べている。ドイツのイノベーション成果は相対的に安定を保っているが、中国のそれはここ数年徐々に上昇している。研究責任者は「中国のスピードはドイツに勝っている」
またレポートは、「中国メーカーは強大な垂直統合能力を備えている」として次のように指摘している。例えば中国市場のトップメーカーBYDは自動車メーカーであると同時にバッテリーメーカーであり、EVのメイン部品であるバッテリーを握っている。「これがスピードをもたらしている」
同時にコンチネンタルグループ、ボッシュ、ZFフリードリヒスハーフェン等のドイツのサプライヤーの多くが中国で事業を展開し始めているという。「これによって、中国のイノベーション優勢の一部はドイツからもたらされている」
(『日系企業リーダー必読』2024年7月5日の記事からダイジェスト)
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