『必読』ダイジェスト 香港の英字紙『南華早報(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)』は1月9日、つぎのように報じた。今年、中国は依然として、多国籍企業にとって重要な市場であり、多くの企業役員がその消費回復がもたらすチャンスに着目している。
報道は世界的に著名なコンサルティング会社、米国ベイン・キャピタル(Bain Capital)の以下のデータを引用している。日本、欧州、米国の多国籍企業最大手200社の2022年のグローバル総収入のうち、中国市場から得た収入がおよそ15%を占めた。米国のテスラ、ドイツのメルセデスベンツ、日本の有名な化粧品ブランド、資生堂に対する貢献度は最も顕著であり、それぞれ22%から37%の営業収入を中国市場から得ている。
報道は上海常駐のベインのベテラングローバルパートナー、ブルーノ・ランヌ(Bruno Lannes)氏の次のような認識を引用している。「重要なのは中国を見る際には、長期的な角度から見るべきであり、短期的な変動に注目すべきではない、ということである。中国経済はこれからも成長を継続し、中国で事業を展開している多国籍企業について言えば、グローバル総収入に占める中国シェアはますます増大する」
ベインのデータによると、中国は依然として、食品、飲料、自動車、アパレル、ファッション、化学物質、ケミカル製品、鉄鋼や家電製品の最大の市場である。
報道は米国世界大型企業研究会(The Conference Board)中国経済・ビジネス研究センター主任、アルフレッド・モンテファー・エル(Alfredo Montufar-Helu)氏の以下のコメントを引用している。マクロ経済に変動があり、ビジネス環境にも一連の顕著な問題が起こってはいるが、中国が外国企業にとって魅力的であること依然として否定できない。
彼はさらに次のように述べている。「ますます多くのビジネス界のリーダーがその中国における事業維持の必要性を論じている。これは中国に製品市場としての重要性があるからというだけでなく、中国にはこれらの企業にとってグローバルサプライチェーンの要という重要性があり、中国がコストパフォーマンスのかなり高い産業エコシステムを持っているからである」
彼はまた次のように続ける。「これらの全てが、在中国の多国籍企業の大多数が中国市場を重視し、なおかつ経済、地縁政治の変動制に対処できる強靭性の強化に努力していることを物語っている」
報道によれば、前述のベインのパートナー・ランヌ氏はこう語っている。「最も重要なのは、中国は多国籍企業にとって依然として非常に重要であり、各企業は十分に準備し、知識を更新し、リスクを客観的に評価し、健全な競争戦略を確立して初めて、中国市場が提供する豊富なチャンスをとらえることができるということだ」
(『日系企業リーダー必読』2024年1月20日の記事からダイジェスト)