『必読』ダイジェスト ブルームバーグが9月3日伝えたところよると、太陽光、風力、原子力といった再生可能エネルギーからの収益という点で、米国企業は中国企業に大きく遅れを取っている。ブルームバーグがまとめた「ニューエナジー・ファイナンス統計」によると、米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス500企業の売り上げのうちクリーンエネルギーによるものはわずか3.4%で、これは中国の上海総合指数構成企業の半分の水準に過ぎない。
ネット・ゼロ・エミッションへの移行を目指す大手企業の取り組みを背景に、ブルームバーグ「ニューエナジー・ファイナンス」のアナリストが8000社以上の企業の経営状況を調査し、収益のうちクリーンエネルギーによるものかどれだけあるかを調べた。
報道によれば、「ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス」に勤めるマイケル・デイリー氏は、「環境保護を重視するビジネスモデルに転換するのは、地球を守るためだけではない。使用エネルギーの転換を進める企業には、大きなビジネスチャンスがある」と指摘している。
たとえば太陽光発電のリーダー企業といわれる隆基緑能や通威集団のような中国企業は、中国がクリーンエネルギー・サプライチェーンにおいて世界に優位な立場にあることによって、大きな恩恵を受けてきた。
ブルームバーグ「ニューエナジー・ファイナンス」によると、クリーンエネルギー分野への株式投資機会はアジア太平洋地域に最も集中している。推定では、アジア太平洋地域では680社以上の企業が収益の半分以上をクリーンエネルギー部門(再生可能、原子力、電化輸送、バイオ燃料、水素燃料、二酸化炭素回収・貯留を含む)から得ている。これに対し、米国では約410社、欧州、中東、アフリカでは約430社にすぎない。
これは驚くことではない。ほとんどの再生可能エネルギー生産社と開発企業は収益の大部分をクリーンエネルギーから得ており、その典型としてたとえば中国の寧徳時代を挙げることができよう。自動車分野では、米国のテスラと中国のBYDが明らかにその分野におけるリーダーであり、クリーンエネルギーからの収益が占める割合ではBMW(ドイツ)やフォード(米国)などの伝統的な企業よりもはるかに高い。
デイリー氏は将来を展望し、「より多くの新エネ車が発売され、EV(電気自動車)を支援する新しい政策が多く導入されることで、伝統的な自動車企業もEVのシェアを拡大することが期待される」と語った。
(『日系企業リーダー必読』2023年9月20日-10月5日の記事からダイジェスト)