研究院オリジナル 2023年10月後半、中国メディアの報道や評論は以下の中日経済関係の内容や日系企業について多く取り上げた。

中国から撤退した三菱自動車が依然として逃れられない中国との競争

今年上半期には、三菱自動車が中国を撤退するというニュースがすでに広まっていたが、10月24日に、三菱自動車は正式のその決定を発表した。同社は今年3月から中国にある工場の操業を停止し始めていた。元々それらの工場は操業再開の計画もあったが、最終的には撤回され、経営リソースを東南アジア市場に集中させるという決定が下された。

三菱自動車は中国でかつて「国産自動車のゴッドファーザー」という称号が受けていた。中国国内の自動車産業は三菱のエンジンに依存しながらスタートラインに立った。。欧米の自動車メーカーとは異なり、初めの頃、三菱自動車は中国企業と技術協力しか行っておらず、中国市場に参入する気はなかった。2012年になってようやく考えを変えて合弁会社の广汽三菱を設立した。

あるメディアは、今から思えば、三菱自動車は過去に戻りたがっていたのかもしれず、そうでなければ、同社の主力車種のアウトランダーを中国市場で10年間もモデルチェンジしなかったことの説明がつかないと語った。電動化の方面でも同様であり、2023年3月に、广汽三菱は初の純電動SUV・エアトレックを発売したが、同車は外部から广汽アイオンVの「ボディを変えただけの車両」と見られている。

関連情報によると、三菱自動車は2022年から2025年までの間に、インドネシアに約50億元を投資する計画を立てており、来年からタイで生産するハイブリッド版の小型クロスオーバーMPV・エクスパンダーを東南アジアや中東で販売する。しかし、東南アジアでも中東でも、中国の自動車が席巻しており、三菱自動車は依然として熾烈な競争から逃れられない。三菱自動車にとって必要なのは、中国における経営戦略の調整だけでなく、さらに世界市場戦略の再評価も必要としているのかもしれない。

武田薬品にとって世界第二位の市場となった中国

近ごろ、武田薬品のグローバル ポートフォリオ・ディビジョン・プレジデントであるラモナ・セケイラ(Ramona Sequeira)と同社でチーフデータ&テクノロジーオフィサーを務めるガブリエレ・リッチ(Gabriele Ricci)の二人のタケダ・エグゼクティブチームの幹部が着任後初めて中国を訪問した。両氏はメディアに対して、中国は武田薬品にとって世界第二位の市場になる見込みであり、中国市場に対する投資を引き続き拡大し、主要な業務分野におけるイノベーションの成果の導入を加速し、中国国内のパートナーとのイノベーション協力を拡大するという考えを示した。現在、同社は中国市場に身を置くグローバル製薬企業のランキングでベストテンに入っており、2020年から2022年までの複合成長率は30%を超えている。

武田製薬の幹部による訪中期間中に、同社は立て続けに2つの重要な提携について発表したが、一つは武田薬品と信念医薬集団が発表したB型血友病分野での単独商業化の協力の合意であり、これは武田薬品と中国国内のイノベーション医薬会社による重要な提携だ。もう一つは武田中国と復旦大学・スマート医学研究院が発表した武田デジタルイノベーション研究院の設立であり、独創的かつ画期的なデジタル化医療のソリューションを共同研究する。

中国市場に対する武田薬品の自信はどこから来ているのか。セケイラ氏は、「中国政府がイノベーション薬品の入手のしやすさや採算性を向上させ、スピーディーな薬品の審査制度を設け、また知的財産権の保護力を強化するために努力を払っているのを見て、我々はとても喜んでいる」と語った。

過去3年間で、武田薬品が製造した新薬の中国における発売承認のペースは大幅に向上しており、すでに10種以上の新製品が承認されている。同社の計画によると、2025年までに、さらに15種の新製品を中国に投入するという目標の達成を目指している。

日本最大の蓄電池会社のPower-xが中国企業と提携

最近、日本最大の蓄電池会社であるPower-xが中国企業の欣旺達動力公司と東京モーターショーで提携の調印式を行い。双方は先進的な蓄電池製品の開発と普及に共に取り組むことを発表した。

現在、欣旺達は中国の動力電池市場におけるシェアランキングの5位に入っており、世界で成長が最も早い動力電池メーカーに成長しており、特に急速充電の分野で先進的な水準に達している。動力電池市場における競争が熾烈を極めているため、同社は並行して蓄電池分野での市場開拓に力を入れている。

欣旺達は中国の「ダブルカーボン」目標が蓄電池にとって新たなチャンスとなることに気づき、2022年から今日まで、同社は数々の地域で次々に提携を結び、低炭素産業パークを設立している。現在、山東省枣庄高新区、湖北省武漢江夏区、広東省博羅県で合意に達しており、投資額は200億元以上に上る。

双方による協力の基礎となったものは、Power-xが有する畜電技術分野の非常に専門的な知識と豊富な経験だが、その一方で欣旺達は電池技術と市場チャネルの方面で持ち前の優位性を有している。双方は協力を通じて、広大な中国市場で理想的な収益を上げることが可能だ。

老舗インターネット企業の二六三が引き続きNTTとの協力を深化 

最近のニュースによると、二六三公司は日本でNTTと協力会社を設立して、NTTとの戦略的な提携を一層深め、自社のネットワーク業務を拡大し、中国資本企業の海外進出を援助することを計画している。

二六三とNTTの協力は長年にわたるものだ。二六三は元々、業務用メールサービスを提供する企業で、中国人がインターネットに接し始めたばかりの頃に、263.netはその名声が世に広く知れ渡った。その後、二六三はNTTと提携し、NTTが自社開発したSD-WAN通信技術を中国市場で普及させた。その後も両社は協力を深め続け、二六三とNTTは共同出資により上海奈盛通信科技有限公司を設立し、ミドル・ハイエンドIDCクラウドコンピューティングサービス分野に進出し始めた。これは中国国内初の国際プロバイダー標準で自主構築されたIDCクラウドコンピューティングプラットフォームであり、日系および欧米の顧客専用でサービスが提供される。

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