研究院オリジナル 2023年9月後半、中国メディアの報道や評論は以下の日系企業や中日経済協力の内容について多く取り上げた。

トヨタ・アルファードはなぜ中国で値上げしても売れ続けるのか?

今日まで、トヨタのラグジュアリーMPV・アルファ―ド(Alphard)は中国で依然として値上げしても売れ続けるという伝説を打ち立てている。今年、最新モデルのアルファードが発売された後、ディーラーは引き続き値上げ操作を行っており、ネットのうわさでは36万元も上乗せして支払ったオーナーもいるという。この状況は中国の自動車市場における絶対的な例外だ。これに対して、日本の国内市場では、アルファードは一般的な家庭向けMPVに過ぎない。この数年間で中国の国産MPVも続々と登場しているが、アルファードの地位を脅かすような車種は存在しない。

業界内での分析によると、こうした状況が生じる主な要因として以下の点が挙げられる。一つ目は、有名人効果だ。香港ではアルファードを普段の業務車両にしている映画スターは少なくない。スターたちはいつもアルファードから出てきたところでパパラッチに写真を撮られている。香港の映画スターは中国国内でも広範にファンを抱えており、中国国内の民衆がスターを追いかけるのと同時に、アルファードも映画スターのおかげで「上流階級」の代名詞になっている。

二つ目は、ディーラーが中国人の富を見せびらかすという消費心理を利用していることだ。アルファードの「ラグジュアリー」なイメージは人々の心に深く浸透しており、アルファードは最も素晴らしいステータスの象徴と化している。それゆえ、裕福な人はアルファードの値上げを好意的に見ている。なぜなら値段が上がるほど、自分自身のステータスも顕著になるからだ。あるメディアが豊田章男会長に、同タイプのアルファードがなぜ日本では安く、中国ではこれほどまでに高いのかと尋ねたところ、豊田会長は、トヨタ本社がアルファードを値上げして中国のディーラーに引き渡したことなどこれまで一度もない。値上げ行為は完全に中国のディーラー個人によるものであり、トヨタグループとは全く無関係だと語った。

三つ目は、アルファードの販売に対するトヨタの台数割当の方式が関係している。毎月中国国内に割り当てられるアルファードの台数はわずか数百台であり、市場ではアルファードの供給不足が拡大している。

三井住友が引き続き中国の資本市場に進出

中国証券投資基金業協会が公表した最新の登録情報によると、日本最大のアセットマネジメント株式会社の一つである三井住友傘下の三井住友德思私募基金管理(上海)有限公司は9月19日、正式に登録を完了させ、中国国内での業務展開が可能になった。同社は三井住友DSアセットマネジメント株式会社の100%出資により設立され、登録資本金は6000万元で、三井住友德思私募基金管理は年内に中国で初めて登録された外資系プライベートファンドとなる。

三井住友DSアセットマネジメントの猿田隆代表取締役社長兼CEOは、過去5年間に、中国のファンド市場の成長は200%を超え、しかも拡大がまだ続いており、当社の目標は持続的で強靭な市場の成長をしっかりつかみ、現地チームを利用して、管理する資産の規模を引き続き拡大させることだと語った。

三井住友は中国の資本市場で常に踏み込んだ配置を行ってきた。2006年に、中国証券監督管理委員会は、三井住友アセットマネジメント株式会社の適格海外機関投資家(QFII)の資格を承認し、規定の金額内で中国の株式および他の証券市場に投資できるようにした。2021年、三井住友銀行グループは、深圳市天使投資引導基金有限公司や深圳市創新投資集団有限公司、投資管理会社のSOSVなどとの共同出資により、深創投索斯福(深圳)私募創業投資基金合伙企業を設立し、現在では対外直接投資の企業は17社に上る。2021年7月末、三井住友フィナンシャルグループは傘下のSMBC日興証券と共に中国証券監督管理委員会に対して証券会社設立の申請を行った。

ニデックが中国の新エネルギー自動車産業の発展チャンスから受ける恩恵

中国の新エネルギー自動車産業の将来的な発展が前途洋々であることに目をつけたモーター大手のニデックが中国で一連の産業配置を行った。

今年2月、7億7000万ドルを投じたニデック世界電器産業パークプロジェクトの建設工事が青島で始まり、世界最新鋭で、生産能力がアジア最大の電気コンプレッサーの生産・製造および開発基地が建設される予定だ。今年5月18日、ニデックの中国華南本部および開発センタープロジェクトの開業式が広東省仏山市で行われ、同プロジェクトは主に電気駆動車および工業自動化分野の電気駆動システム、動作制御および電気伝導関連分野の業務に照準を定めている。関係者の話によると、この分野でニデックは一連のカスタマイズ製品、プラットフォーム製品、インテグレーション製品を開発し、中国で指数関数的な成長を成し遂げ、2030年までに年間生産高を32倍にしたいと思っているという。

現在、ニデックはさらに駆動モーターシステム「E-Axle」の製品ラインを拡大しており、低出力の製品モデルを追加し、中国市場で日に日に大きくなっている小型電動自動車の需要を満たすことを希望している。ニデックはこれまでずっと大型電動自動車に提供するための出力が100キロワットから180キロワットの装置に力を入れてきたが、その後、五菱宏光 Mini EV(20キロワットモーターを搭載)などをはじめとする低価格自動車が中国で次第に人気が高まっており、日本の状況も同じであることに気づいた。ニデックは小容量電池を搭載したコンパクト電動自動車が今後市場の主流になると見ており、それゆえ同社は自社の強みである駆動業務で蓄積された技術を利用して、出力がさらに低いE-Axle装置を開発し、モーターをより軽く、より薄く、より小さくすることを目指している。

日本のメジャー曲がKuGouに集結

近ごろ、kugou musicは日本コロムビアと深い戦略的提携を結び、日本コロムビアが所有する膨大な数のメジャーな日本の音楽作品の使用ライセンスを取得することを発表した。kugou musicは、有華の『Baby you』やNakamura Emiの『Don’t』、声優や歌手として活躍する伊藤美来の『青100色』、美空ひばりの『川の流れのように』などの音楽作品を公開する。国民的な音楽プラットフォームとして、kugou musicは多岐にわたる音楽文化の領域を開拓する面で常に全力を注いできたが、日本の音楽も重要な協力の方向性であり、日本コロムビア以外に、さらにジブリやB ZONE、東宝アニメ、ランブリング・レコーズ、ミュージックレインなどの日本の著名なブランドと戦略的提携を結んでいる。専門的なコンテンツの運営によって、現在kugou musicはディープな日本の音楽コンテンツを盛り上げるムードを作り出しており、例えば、kugouの日本語チャンネルや定番ACG、日本語の名作、日本のロックなど選りすぐりの音楽コンテンツは、音楽ファンからの寵愛を受けている。kugou musicはすでに中国にいるジャパニーズミュージック愛好家のメッカとなっている。

大手企業を含む多くの日系企業が購読している『必読』

『日系企業リーダー必読』は中国における日系企業向けの日本語研究レポートであり、中国の状況に対する日系企業の管理職の需要を満たすことを目指し、中日関係の情勢、中国政策の動向、中国経済の行き先、中国市場でのチャンス、中国における多国籍企業経営などの分野で発生した重大な事件、現状や問題について深く分析を行うものであります。毎月の5日と20日に発刊し、報告ごとの文字数は約15,000字です。

現在、『日系企業リーダー必読』の購読企業は、世界ランキング500にランクインした日本企業を含む数十社にのぼります。

サンプルをお求めの場合、chenyan@jpins.com.cnへメールをください。メールに会社名、フルネーム、職務をご記入いただきます。よろしくお願いいたします。

メールマガジンの購読

当研究院のメールマガジンをご購読いただくと、当方の週報を無料配信いたします。ほかにも次のような特典がございます。

·当サイト掲載の記事の配信

·研究院の各種研究レポート(コンパクト版)の配信

·研究院主催の各種イベントのお知らせ及び招待状

週報の配信を希望されない場合、その旨をお知らせください。