『必読』ダイジェスト 中国経済は今、見る人を驚嘆させるほどの力強い回復を見せている。

国家統計局が3月1日に公表したデータによると、2月に製造業PMI(購買担当者景気指数)が前月よりも大幅に上昇し、この十数年来で最高水準に達した。サービス業活動指数も若干伸びている。その証拠として、財新メディアが発表した財新中国総合PMIは2月も2022年下半期以来の最高水準まで上昇した。

3月2日付『ニューヨークタイムズ』は、「中国の工場は先月、思いがけない活力のV字回復を果たした」と報じた。同日、『ウォールストリートジャーナル』は2つの記事を続けて掲載し、1つの記事は「中国の製造業とサービス業の動きが凄まじく前進している」と伝え、もう1つの記事も「中国の経済活動は連続して2カ月目も大幅に拡大し、基本的に中国が予想よりも早く新型コロナウイルス予防抑制措置による影響から脱却する可能性を示した」と報じた。英国の『フィナンシャル・タイムズ』は、「中国の工場における操業はこの十数年来で最も早く拡大している。2月に中国公式の製造業PMIは2012年4月以来の最高値となり、その数値は新型コロナウイルス流行後の中国経済の回復を示す強いシグナルとなった」と伝えた。

別の指標も中国経済が全面的に回復傾向にあることを示している。2023年2月に最新の「長江商学院・中国企業経営状況指数(CKGSB Business Conditions Index,BCI)」が勢いよく57.6まで回復し、そのうちの4つの分指数すべてに上昇が見られた。同研究プロジェクトの責任者で、長江商学院の教授を務める李偉氏は自身が発表した記事で、「この出来事は、我々が12年間行っている調査研究でも極めて珍しい現象だ」と語った。

これらのデータが公表される前に、市場と生活における兆候もすでに顕著になっている。2月21日発行の英国『エコノミスト』に掲載された「中国経済の超速の回復」と題する記事は、春節後に中国の多くの地方で、映画や旅行、飲食の面で人々の意欲が高まっていることに言及し、「こうした状況はいずれも世界第二位の経済体の消費市場が今や驚くべき速度で回復していることを示している」という考えを示した。

2月、多くの中国人が出張や旅客の流動が爆発的に増えたことに注目した。スリルを感じながら空港に急ぎ、空港などではタクシー待ちで2時間の行列が見られ、似たような状況がソーシャルメディア上でも常に生じた。「今はコロナ前よりも混んでいる」と言う人は少なくない。交通部門のデータによると、全国100都市の道路渋滞状況はすでにコロナ前の水準にまで回復しており、一時的に2019年の最高水準を上回った。

ドイツ銀行(Deutsche Bank AG)のアナリストは中国国家統計局のデータが発表された後、「一夜のうちに、我々はリスクのトレンドにかなりの大きな変化が生じたのを目にした。なぜなら以前、人々はずっと経済が低迷すると見ていたにもかかわらず、中国のデータに好ましい傾向が見られるようになると、人々は経済に対して楽観ムードを抱くようになった」と記した。

楽観ムードは速やかに資本市場にも反映された。3月1日、香港と欧州における複数の大きな株式市場で指数が大幅に上昇した。

ロイターの報道によると、多くの情報筋は中国政府が掲げた2023年の成長目標にかなりの信頼を寄せており、目標は最高で6%に達する可能性があり、「2022年11月時と比べて、中国の政策圏内の楽観ムードが広がっている」と打ち明けた。

不動産と輸出に初めて現れた好転の兆し

当然、得意げに喜んでいるときにはいつでも、「冷や水を浴びせようとする」者もいる。2月27日付ドイツ紙『南ドイツ新聞』の社説は、「中国経済は最悪の状況を既に脱したが、楽観的にすべての心配がなくなったと思うのは早計であり、今でもまだ多くの解決すべき難題がある」と報じた。

不動産の方面で、市場研究機関である克爾瑞(CRIC)が3月2日に公表したデータによると、同機関が観測した30都市において、2月の合計成約面積が前年比、前月比でいずれも40%以上という大きな上げ幅が見られた。別の研究機関の中指研究院が3月1日に発表した研究報告では、2月の全国100都市における新築住宅の平均価格が前月比で横ばいとなり、7カ月連続の下落傾向に歯止めがかかった。複数のメディアの報道によると、多くの業界関係者の話では、2月以降に住宅購入者の市場参入への積極性が上昇し、成約のスピードも上がっているという。権威あるメディアの『財新網』は「不動産市場には確かに回復の兆しが現れている」という認識を示した。ただ、このような回復傾向がいつまで持続するのかという点では意見が分かれている。

海外貿易の方面では、バルチック海運指数(BDI)が近頃急速に上昇している。2月23日、BDIが1日で21.07%も急上昇し、2020年6月中旬以降最大の一日当たりの上昇幅を記録した。事実上、2月20日から2月24日までの5日間の取引日で合わせて約64%も上昇したが、このような上昇傾向はまれなものだ。

海外貿易が活発になっていることを示すもう一つの証拠は、間もなく開催される第133回広州交易会(中国輸出入商品交易会のことだが、広州で開催されるため、略して広州交易会)の参加申込企業の数は3万社を超え、同交易会の記録を更新した。同交易会は中国海外貿易の「風向計」および「バロメーター」と見なされているため、参加申込企業の数は往々にして貿易商たちの信頼に直接反映される。

最も不確かなのは「超過貯蓄」を消費に回せるか否か

2月以降、「超過貯蓄」は多くのメディアや個人メディアの流行語になっている。この言葉は専門用語ではなく、分かりやすく言えば、年間の預金額において「例年よりも増えた部分」を意味し、厳密な技術用語ではないため、現在の「超過貯蓄」が一体どれくらいか、様々な機関が概算した金額も差が大きく、「約6兆」、「8兆」、「10兆以上」など様々な値がある。

どの値にしても巨大な数字であることに違いはなく、各業界の人々に容易に熱い期待を抱かせるものだ。例えば、2月15日に、新華社傘下の『証券時報』に掲載された「様々な手を打って市民の超過貯蓄の消費への転化を推進」と題するトップ記事で、「市民の超過貯蓄を如何に消費へ転化させるかは、現在の我が国の経済活動における最優先事項となっている」と報じられた。

(『日系企業リーダー必読』2023年3月5日記事からダイジェスト)

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