『必読』ダイジェスト 中国の再開放にしたがって、グローバル企業の経営幹部は、今続々と中国に戻っている。米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の2月12日付報道によると、ドイツ・フォルクスワーゲン社の経営幹部は1月末から2月初めにかけて中国を訪問し、ドイツ・ベンツ社の管理職もまた近日中に中国を訪問する計画があり、米国のアップルやファイザーのCEO(最高経営責任者)も来月訪中の予定であるという。
多くの経営幹部にとって、これは新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来、初めてとなる中国訪問だ。世界の多くの巨大企業にとって、中国はトップクラスの製造センターであり、消費市場である。報道によると、北京方面はまさにこうした外資系企業の経営幹部の訪問により、グローバル企業の投資を引き出すことを期待している。
報道によると、今後数カ月間で数十人の外国著名企業の経営幹部が、中国で行われる各種のビジネス会議に参加する予定である。これらの経営幹部の訪問は、地政学的な緊張情勢が激化したとしても、欧米企業はやはり中国の再開放がもたらすビジネスチャンスを探し求めているということを示している。一部の経営幹部にとって、中国業務の実地視察や現地責任者との会見は優先事項であり、より多くの人が現地の業務協力者や政府官僚と会うことを望んでいる。
中国は長年、一貫してフォルクスワーゲンにとって最大の単一市場であったが、現地自動車メーカーとの競争が日増しに激しくなり、フォルクスワーゲンは過去3年間で中国市場のシェアが五分の一近く下落している。
フォルクスワーゲンのリーダーとなったばかりのブルーメ氏の前回の中国訪問は昨年11月で、当時、彼はドイツのショルツ首相と共に中国を短期訪問した数人の企業経営幹部の一人であった。
このほか、今後数カ月に中国でいくつかのビジネス会議が開催され、多くのグローバル企業の経営幹部が中国にやってくる予定である。これらの会議には、3月末に北京で行われる中国発展ハイレベルフォーラムや、海南で行われるボアオ・アジア・フォーラムも含まれている。
情報筋によると、米アップル社のクックCEO、ファイザー社のアルバート・ブーラCEOも中国発展ハイレベルフォーラムに参加する予定で、クック氏はかつてこのフォーラムの外国側共同主席を務めたこともある。ベンツ社のオラ・ケレニウスCEOも参加予定だ。
ボアオ・アジア・フォーラムもまた、世界各国のトップクラスのビジネスリーダーを呼び寄せ、それにはオーストラリア鉄鉱大手のFMGグループの会長も含まれている。彼らは中国の顧客とのつながりを保つことに尽力する、とこの企業のスポークスマンは語っている。
報道によると、その他の予定されているビジネス会議には、4月に開催予定の上海国際自動車工業展覧会などがある。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』は最後に総括して、「中米の二国間関係は緊張しているものの、両国の貿易総額は増え続けている。政策やビジネス方面の専門家によると、重要な貿易や投資関係は往々にして政治上の波を乗り超えることができる」と記している。
2022年には、米国が中国から輸入した商品の総額は5368億ドルで、前年よりも6.3%増加、米国の対中国輸出は1.6%増の1538億ドルで、両国の貿易総額は史上最高の6906億ドルに達した。同時に、米国の中国に対する輸入超過は8%拡大して3829億ドルとなっている(この数字はインフレ調整がなされていない)。
(『日系企業リーダー必読』2023年2月20日記事からダイジェスト)