陳言/文 半年ぶりに上海虹橋を訪れた。

この半年の上海の状况はやや理解しにくいため、上海に行って同市がどうなったかについてそこに住む人と話を聞きたいと思っていた。だが、北京から来た人間がここで余計なことを聞いてはいけないと思い、ただ会議に参加し、黙って虹橋駅の近くで歩きながら見ることにした。

第2ターミナルから駅まで歩いて行き、駅から上海側が手配してくれた駅の最寄りのホテルまで歩いていくと、多くの店舗がすでにシャッターを下しており、駅を通った時もあまり人がいなかった。この寂しい光景を見て、上海に何かが足りないという気持ちになった。

外の気温は40度といわれているが、実際には数歩も歩かないうちに汗びっしょりになった。上海は北京と違って湿度が高く、同じ40度でも体感気温は50度かそれ以上だ。そのため、ほとんどの時間は地下を歩いていた。さらに先に行くと、国家会議展示センターがあった。今年も中国国際輸入博覧会(以下、輸入博と略)が開催され、多くの日系企業がすでに応募しており、旭化成などが今年初めて展示を行う。企業の輸入博への期待は依然大きい。

第2ターミナル、鉄道の駅、国家会議展示センターはほぼ1本の東西線にある。駅から国家会議展示センターまでの地域は、さまざまなオフィスビルが建ち並んでいるため、虹橋中枢(ハブ)だと思っていたが、地元の政府関係者に聞いた「虹橋国際開放中枢」は、北は嘉定、昆山、蘇州工業区で、南は閔行、松江、金山、平湖、海寧などを含む地域だ。実際には虹橋をハブにして、江蘇、浙江の一部地域を牽引し、巨大な経済力を持つ両翼を形成しており、活力に満ちている。

中国の政策面でのイノベーションは虹橋中枢構想を見ればいくらかわかる気がする。共通の発展目的のために、地方は行政の垣根を破って大連合を実現することができる。上海市内では、長寧、閔行、松江などいくつかの区が虹橋国際開放中枢に加わることが想像できたが、この中枢が実際に江蘇省と浙江省の両翼を結び、長江デルタの最も重要な工業、商業、貿易、研究開発、消費の重点になるとは思い掛けなかった。

友人と建設中の品匯を見に行った。JETRO(日本貿易振興機構)は昨年の輸入博で展示を行ったホールをそのまま移転してきたが、輸入博と違うのは、展示されている食品や日本酒などのほとんどを直接購入できることだ。品匯の地下にはさまざまな中継ブースがある。毎日500元出せば直接ここでライブ配信を行い、さまざまな商品を売ることができる。輸入博の展示期間は1週間で、1週間後には常設展を設け、ライブ配信で製品を販売することができる。

品匯で見学した時は、まだ来ている人が多くないように感じたが、11月の輸入博、それ以降の常設展と、国内のあらゆる場所よりも先進的なライブ配信の条件が、上海のアフターコロナの大きな転換を静かに後押ししていくだろう。

虹橋ももっと長江デルタのハブとしての役割を発揮することができると感じた。

(中国日本商会HP 2022年8月19日より)

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