陳言/文 2022年5月に入ってから、筆者は基本的に豊台区から一歩も出ることなく、毎日7時になると階下にあるPCR検査ポイントの行列の状況を見に行き、一回も欠かさずに検査を受けている。しかし5月に一度、スマホの健康管理アプリにポップアップ(警告表示)が出てしまい、それ以外に二日間は焦りながら検査結果が来るのを待った。
北京の常住人口は2188万人で、ほとんどが北京に住んで仕事をしている人は、5月中は少なくとも半分の日にPCR検査を受けた。単純計算してみると、北京市だけで一カ月にPCR検査を3億回以上やっているわけで、これは少ない数ではない。
5月13日、国務院共同防疫メカニズムの記者会見で、国家衛生健康委員会医政医管局監察責任者の郭燕紅氏が記者の質問に答えた際に、「PCR検査施設の合格率は99.7%に達する」と言った。筆者はこの数字を聞いた後、この検査の合格率がとても高いとは感じず、PCR検査の結果がすぐに通知されず、検査を受けた人でも一部に警告が表示されるなどの状況について、いくらか理解しただけだった。
PCR検査に関する報道を読むと、中国には現在3万5000カ所の関連施設で毎日検査が行われていると書いてある。もしそのうち0.3%の施設が不合格であるなら、100カ所以上のPCR検査施設の検査結果に問題があるということだ。ゼロコロナ政策を堅持するうえで、これは小さな事ではない。
北京政府がどうやってPCR検査施設を管理するのか。検査ミスが起きたとき、それをどのようにカバーするのか。筆者は記者会見に行ったわけではなく、会見で記者がこの問題に関して官僚に質問する姿も見ていない。
合格率を100%にしろと要求するのではなく、ゼロコロナ政策を推進すると同時に、制度のうえで、検査ミスが起きた後、すぐにそれをカバーできるよう保障し、個別のミスがコロナ政策全体に影響を及ぼすことを防ぐことは、合格率よりもはるかに重要なことだ。関連政策の構築において、国家衛生健康委員会などの政府機関がやるべきことはとても多いと筆者は考える。
(中国日本商会HPより 2022年5月26日)