『必読』ダイジェスト 『財経』誌の「微信(WeChat)」公式アカウントは2021年12月25、26日、「2021年の給料が最も低い10業界」「2021年の給料が最も高い10業界」を発表した。

今回の統計は、A株上場企業が公表しているデータを利用した。業界サンプル企業の選定方法は、主にA株上場企業の「中信証券業界分類」を参考にしている。一定期間の業界平均給与は、業界平均給与=すべての業界サンプル企業の給与総額の合計/すべての業界サンプル企業の従業員数の合計として計算される。

なお、今回算出された数値は、会社が従業員に支払った総額だ。この数値は、従業員が手取り分のほかに、会社が源泉徴収している社会保険料や個人に課せられる税金、積立金なども含まれている。従業員が毎月受け取る現金が7500元だとすると、会社は約1万4000元を払わなければならない、とかつて算出した人がいる。

2021年、すべてのA株企業の一人当たり年収は約19万7200元で、月給に換算すると1万6400元だ。これが比較・参照のための数字である。

2021年の給与が最も高い10業種を高い順から

1、証券 1人当たりの月給は5万6000元。A株企業の1人当たり給与の340%。

2、ゲーム 1人当たりの月給は2万9500元。A株企業の1人当たり給与の180%。

3、銀行 1人当たりの月給は2万8900元。A株企業の1人当たり給与の176%。

4、半導体製造装置 1人当たりの月給は2万7100元。A株企業の1人当たり給与の165%。

5、水運・港湾 1人当たりの月給は2万3500元。A株企業の1人当たり給与の143%。

6、バイオ医薬 1人当たりの月給は2万2300元。A株企業の1人当たり給与の136%。

7、集積回路・チップ 1人当たりの月給は2万2100元。A株企業の1人当たり給与の135%。

8、航空・空港 1人当たりの月給は2万1600元。A株企業の1人当たり給与の131.5%。

9、石油・石油化学 1人当たりの月給は2万1200元。A株企業の1人当たり給与の129%。

10、電力・電力網 1人当たりの月給は2万900元。A株企業の1人当たり給与の126.9%。

2021年の給与が最も低い10業種を高い方から

1、貿易 1人当たりの月給は1万1500元。A株企業の1人当たり給与の69.8%。

2、製紙業 1人当たりの月給は9800元。A株企業の1人当たり給与の59.3%。

3、 ホテル・飲食業 1人当たりの月給は9600元。A株企業の1人当たり給与の58.6%。

4、ブランド服飾 1人当たりの月給は9000元。A株の1人当たり給与の55%。

5、栽培・養殖 1人当たりの月給は8400元。A株企業の1人当たり給与の51.2%。

6、観光地関連 1人当たりの月給は8200元。A株企業の1人当たり給与の50.1%。

7、石炭化学工業 1人当たりの月給は7900元。A株企業の1人当たり給与の47.8%。

8、環境保護・水関連 1人当たりの月給は7700元。A株会社の1人当たり給与の47%。

9、一般小売 1人当たりの月給は7100元。A株企業の1人当たり給与の43%。

10、繊維 1人当たりの月給は5300元。A株企業の1人当たり給与の32%。

小括

中国の各業界間の給与格差は非常に大きく、2021年、証券業界の平均給与は繊維業界の10倍以上となっている。

高収入業界は、大抵3つに分類される。一つ目は知識集約型のチップ、ゲーム、バイオ医薬品で、二つ目はインフラ型の電力、港湾、航空、三つ目は金融業の銀行や証券だ。高い給与が得られる業界は、知識集約、資金集約、業界独占によるものか、または上記の2つまたは3つの特徴を同時に備えているものかのいずれかだ。

低収入業界は、一般的に参入のハードルが低く、農業や生産能力が過剰な製造業、競争が激しいサービス業が多い。

低収入業界では、従業員の学歴が相対的に低く、中等専門学校またはそれ以下の学歴の者が50%以上を占めることが多い。一方、高収入業界では、従業員の学歴が一般的に高く、中等専門学校分野以下の割合は20%を下回る傾向がある。

注目すべきは、中国の低収入業界の給与の伸び率が高収入業界を上回っておらず、高収入業界と低収入業界の格差が今後さらに広がることを意味していることだ。

(『日系企業リーダー必読』2022年1月20日-2月5日号記事からダイジェスト)

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